図書館報 ΑΛΗΘΕΙΑ

ΑΛΗΘΕΙΑ(アレーテイア ギリシャ語で「真理」を意味する。

館報の発刊

長い間懸案でもあった館報発刊ができることになった。図書館は全学のサービス機関として年々充実されて,その機能も期待されるものが多い。

この館報では日々充実される機能の実態を報告し,皆様の御利用の便を図ると同時に読書し学問のする事の喜びを識るよすがになることを期待したいものである。

工学系の本学では,その分野における専門について,より一層の知識を高める手段としての図書館の機能があるのは当然のことである。それは国内外の最先端のレベルも知ることのできる情報センターとしての役目も重要である。われわれは工学分野の基礎教育を最重点において見学の理想の実現につとめているのであるが,時の流れも忘れることはできない。工学はニーズに基づいて発展したとも云えるが,シーズ的の研究とともに教育の分野での工学の果たす分野の移りかわりを知るのは重要なことである。今度設置されるファクシミリは前項図書館ネットワークに,ビジュアルに接することとなり,その果たす効果は大いに期待されるところである。

また人間としての完成も学生諸君には重要なことである。いわゆる専門馬鹿にならぬ心掛けも工学系では特に留意の必要なことではなかろうか。人生観ひいては世界観を確立するには教養分野の読書が必要である。

T型よりπ型人間への議論があったのは一昔の話で,最近は国際化,学際化ということがよく言われる。これは専門知識をしていわれることが多いが,その背後には人間としての人間性の確立があってこそである。この人間性はその人の人格の反映である。

人格の陶冶は専門課程の中では薄れがちである。研究室のゼミでは寺子屋的雰囲気で,全人格的教育と研究があってもよいが,教養一般に話が及ぶのは少ない。

それだけに折に触れての読書と思考が図書館として果たす機能としても期待されるものである。それだけの関係書籍と場所も提供されているので,かかる面でのより一層の利用も期待するところである。

(附属図書館長 坂野武男)
(「ΑΛΗΘΕΙΑ」 No.1より)